大臣陳情レポート:その後1

吸引問題解決促進委員会の海野事務局長から下記のような報告が入っています

11月14日参議院厚生労働委員会 
吸引問題について

表題の件、先日、大臣陳情に同席された公明党の山本保議員が、12日の大臣陳情に触
れて改めて、議会の場で、大臣の回答をもとめ、それに答えた会議録です。
吸引問題だけでなく、ALSの総合対策の必要性についても触れています。
時間のあるときお読み下さい。


○山本保君 公明党の山本保です。
 私は二十分だけの時間でございますので、短めな答弁をお願いしたいと思って
おりますが、最初に坂口厚生労働大臣にお伺いをいたします。
 それは、一昨日、十一月十二日でしたが、筋萎縮性側索硬化症、いわゆるAL
Sと呼ばれている難病の患者の団体、日本ALS協会会長さん以下、大変な思い
をされまして国会に来られ、そして、特に在宅でおられる患者さんがたんの吸引
というんですか、これが家族でしかできない、ヘルパーさんにもそのことをやら
せていただけないかということに絞って御要望に、陳情に来られた。大臣は、大
変お忙しい中、あそこに出席されまして、一日も早く、できるだけ早く、桜の咲
くころということも言われましたけれども、審議会を立ち上げて検討していきた
いというお返事をされました。患者の方々も大変喜んでおられると思いますけれ
ども、改めまして公式の委員会の場で厚生大臣のこの問題についての決意をお聞
きしたいと思います。
○国務大臣(坂口力君) この筋萎縮性側索硬化症というのは非常に気の毒な病
気でございまして、本当に皆さん方の御苦労、それだけではなくて、御家族の御
苦労は本当に大変だというふうに思っております。
 いわゆるたんがたまってくるわけでありまして、それを御家族は取っている。
しかし、御家族がどこかに行かれてその間に介護さんにお願いをして出掛けられ
るときに、そこにたまったときにその介護さんは取ってはいけないというのは、
少し私は見直すべきときに来ているのではないかと実は思っているわけでござい
ます。
 これは、医師会あるいはまた看護協会等々にもいろいろの御意見、正直言って
あるんです。それは看護師だったらいいけれども介護士は駄目だというような御
意見もあったりいたしまして大変難しいんですが、ここはやはりその御家庭にお
みえになります患者さん、今まではそういう方は皆病院におみえになったわけ
で、それはそう問題でなかったわけでありますが、最近のようにいろいろの患者
さんも病院の中ではなくて家庭に帰られるようになってまいりましたから、そう
したことも時代に即応して検討をしていかなければならないのではないかという
ふうに思っております。
 検討会を作りまして、早速作って、年内に作りまして、昨日もお答え申しまし
たが、桜の花の咲きますまでには結論を出させていただきたいというふうに思っ
ております。結論はどういうことになるかはこれは分かりませんけれども、でき
るだけおこたえのできるようになればと私は念願をいたしております。
○山本保君 おっしゃるように大変難しい問題ですけれども、是非大臣、これま
でのお力も見ております、是非一歩も二歩も踏み込んでいただきたいと私からも
お願い申し上げます。
 改めまして、ALSと申し上げますけれども、この病気、大変、今おっしゃっ
たように、見ておりまして、横でおりましても、かわいそうな状態でございま
す。私も、大変仲のいい方がおられまして、先日も東京に久しぶりに来られて久
しぶりにお会いしましたが、一見お元気そうでしたけれども、いよいよ御飯がの
どを通らなくなったと。正に意識ははっきりしておられますけれども、体の中の
筋肉がだんだん動かなくなっていくということで、この前は車いすで、全くまば
たき一つでしかコミュニケーションが取れない、しかし意識は物すごくはっきり
されているそうでございます。大変なその苦しみというか、いかばかりかと思う
わけでございますが。
 この病気全体につきまして、これまで厚生省として、厚生労働省としてどのよ
うに対応されてきたのか、また今後の見通しについてもこの際お聞きしたいと思
います。
○国務大臣(坂口力君) 先ほど申しましたように、この病気は非常に重篤な病
気でございますし、そして現在のところ、これを回復せしめる手だてと申します
か、治療方法というのは確立されておりません。病状を遅らすことのできるよう
にはなってまいりました。しかし、回復させるその手だては現在のところないわ
けでございまして、本当にお気の毒な立場に立たれておみえになる、それは御本
人もさることながら、御家族も含めて大変な立場だというふうに思っておりま
す。
 看病されます家族の肉体的あるいは精神的な負担というものも非常に大きいと
いうふうに思いますが、保健、医療、福祉にわたる総合的な対策を講じることが
重要だと認識をいたしております。医療は医療、福祉は福祉でばらばらにならな
いようにどうするかということが大事だと思っております。
 これまでのこの病因の解明、病気の原因の解明ですね、解明をどうするかと
いったことがいずれにいたしましても一番大事なことでございますが、多くの研
究者が携わっていただいておりますけれども、しかし残念ながら今それを解明す
るところまで至っていない。是非、しかしここは多くの方に研究をしていただい
て、一日も早く回復のできるようにしてあげてほしいと、こう念願をいたしてお
りまして、この研究にも力を入れていきたいというふうに思っております。
 それから、特定疾患治療研究事業によりまして、この医療費の一部につきまし
ての公費負担を行うなど、この調査研究の推進も図っていきたいというふうに
思っております。
 また、入院施設の確保など地域において安心して療養できる体制の整備を進め
ることも大事でございまして、特に在宅しておみえになります患者さんや家族を
支援することが大事でございまして、人工呼吸器を付けた患者さんへの訪問看
護、それから訪問介護や短期、ショートステイですね、ショートステイ、それか
ら特殊寝台や入浴補助装置等の日常生活具の給付など、福祉施策の充実を図って
いるところでございます。
 ずっと御家族が見られるのは大変でございまして、そういたしますと、時々は
入院をして御家族も体を休めるということもなければならないわけでございます
が、これなかなか病院の方もベッドが空かないとかいろいろの理由がございまし
て、なかなか思ったときに取ってもらえないことも正直なところあるわけでござ
います。そうした方々に対して、やはり公的な病院も私は応援をすべきだという
ふうに思っておるところでございまして、そうしたことにつきましても配慮をし
ているところでございます。
 是非、このALS患者に対します総合的な対策、やはりこれからもなお必要だ
というふうに考えている次第でございます。
○山本保君 どうぞよろしくお願いしたいと思います。
 それで、ちょっと確認でございますが、最初のたんの吸入に戻りますけれど
も、これは簡単にイエス、ノーで結構でございますが、昨日もある施設協議会の
方からも同じような形で、つまり施設の職員にも同じようなやはり仕事ができる
ようにしてほしい、また以前にも国会、委員会で私も申し上げましたけれども、
養護学校というところの、例えば養護教諭の先生方からも要望が出ておりますの
で、こういう問題も含めて検討していただけるというふうに理解しております
が、それでよろしゅうございましょうか。
○国務大臣(坂口力君) 今回、ALSを中心にしてやるわけでございますが、
そうした関連のところも確かにあるわけでございますので、この問題をやります
とその関連のところの問題も必ず起こってまいりますから、そうしたこともその
中では議論がされるものと期待をいたしております。




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日本ALS協会茨城県支部 海野 幸太郎
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