<代筆投票訴訟制度判決>

平成12年1月以来14日に提起されて以来審議されてきたALSの投票権を巡る裁判の結果が東京地裁で出ました。
賀来・笹川・村山(故人)の3会員(在宅呼吸器療養患者)が原告でした。
以下asahicomの写しです。清水さんのHPから拝借しました。

ALS郵便投票訴訟 「投票制度なかったのは違憲状態」




原告の笹川彰さん
14年間に及ぶ闘病生活を送る原告の笹川彰さん。「投票は、生きることの意義につながる極めて大事なことだ」と訴えた=24日、東京都板橋区宮本町で
 全身の筋肉が動かなくなり、ペンも握れなくなる「筋委縮性側索硬化症(ALS)」の患者3人が「自筆でなければ郵便投票の有効性を認めないのは、法の下の平等をうたった憲法に違反する」と国を相手に1人あたり90万円の賠償と国会が立法を怠ったことの違憲確認を求めた訴訟の判決が28日、東京地裁であった。福田剛久裁判長は「外出できない原告らが選挙権を行使できる投票制度がなかったことは憲法違反と言わざるを得ない」と述べた。ただ、「国会も投票できない人がいることまで認識していなかった」として国家賠償法上の違法性はなかったと判断し、損害賠償請求を棄却した。

 原告側はただちに控訴する。

 今後、国会は立法措置を迫られることになりそうだ。

 郵便投票制度に対する初の司法判断となった。

 訴えていたのは、東京都渋谷区の村山芳子さん=01年8月に死亡、夫の恭悟さんが承継=と、いずれも板橋区に住む賀来寛孝さん(58)、笹川彰さん(52)。人工呼吸器を装着して寝たきりの状態だが、眼球の動きやまばたきで文字盤や特殊なパソコンを動かし、意思を伝えることができる。

 公職選挙法は、不正投票を防ぐために同法施行令で「郵便投票では自筆以外の投票は無効」と定め、代理投票は投票所か病院などの施設以外では認められない。

 判決はまず、原告らが投票所に行くことについて「社会通念上不可能だ」と指摘し、「困難だが不可能ではない」との国側の主張を退けた。そのうえで、内閣の責任について「郵便投票に自書を要求する公選法に従って同施行令を定めただけで、違法性はない」と判断した。

 次いで、国会がこの制度を改正するための立法を怠ったかどうかを検討。福田裁判長は、患者が投票できない制度になっていることは「法の下の平等を定めた憲法14条と、参政権を保障した15条に違反する状態だ」と指摘。だが、「選挙権を行使できない人がいることを国会議員が一般に認識していたとは認められない」と判断した。

 また、違憲確認については訴え自体が不適法として却下した。

 訴えによると、3人はこの規定があるため選挙権を行使できず、98年7月の参院選などを棄権するしかなかったと言い、「公選法の施行令は、法の下の平等を定めた憲法などに違反し、無効だ」と主張。郵便投票の代筆を認めるよう国会が立法しなかった不作為の違憲確認と、慰謝料の支払いを求めていた。

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 <ALS> 運動神経が侵されて筋肉が委縮していく進行性の難病。原因は分からず、治療法も確立していない。日本ALS協会(本部・東京都新宿区)によると、全国の患者数は6000人以上。うち約半分が自宅療養している。患者の参政権・投票権をめぐっては、同協会が中心になって96年ごろから政府に巡回投票制度の実施などの改善を要請している。  (12:14)