吸引問題検討委員会 レポート(第三回) (2月19日産業経済省944号室) |
平林委員 | 前田委員 | 川村委員 | 星委員 | ||
福永委員 | 五阿弥委員 | 山崎委員 | 伊藤委員 |
傍聴記(個人的感想) 前田座長の下、前回の議論を踏まえ問題の所在を明らかにする、ということで始まりました。 まず事務局側から沢山の資料についての説明がありました。下記*2資料目次にあるとおり沢山の資料が出ました。末尾のかっこ内はページ数です。ALS協会が提出しようとした金沢レポートと近畿ブロックレポートは「医療者以外の吸引が行われている実数が報告されているため適切な資料かどうか相談してから」ということで配布されませんでした。 資料のうち宮城県の試み(指名制介護人派遣制度・ホッと息抜きサービス)に対する質問が多く、これに対して宮城出身の伊藤委員から詳しい説明がありました。慎重な議論を経て家族と同等と見なされ十分な指導と管理を受けた介助人が吸引を含めて介護している事業は示唆に富んでいました。 その後は議論錯綜。キチンとした医療を、という川村委員、それはそうだが現実的な解決が必要(福永)、法的理屈付けをしながらモデルを作る(平林)。それには実例が必要だ(五阿弥)。家族はどうしてOKなのか(星)。充分な指導と管理の下で始めてOKは家族も介護者も同じ(伊藤)。どこでどれくらい出来ているかデータを集めて(山崎)。そんな話がバラバラに出て時間の割に空転していた感じでした。 家族を含めて医療者以外がやっている実例集とデータが事前に提示されていれば、宮城の例に続いてもう少し内容のある検討会になっていたかもしれません。そうした例の参考資料は違法性があるので配布できないという程度の厚生省判断では少数回での内容ある議論結論はおぼつかないのではないかと思いました。委員からの資料要求があったので次回にはALS協会からの資料が配付されるそうです。(今回もその筈でしたが・・)。 議論内容のレポートが少ないので、配られた資料から、少しは現状が分かる手がかりになりそうなものを下に移します。図表は抜いて数値だけにさせて頂きました。資料4は山崎委員の要請で出された新しい(平成12年)ですが、第一回レポートにも載せた、初回に出された平成9年の資料と比べると在宅療養者の数が51,6%→70%、重症者(呼吸器)12,7%(785人)→18,2%(1125人)とグッと多くなっているのが意味深く思われます。 |
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看護師等によるALS患者の在宅療養 支援に関する分科会 (第 3 回) 日時:平成15年2月19日(水) 10:00〜12:OO 場所:経済産業省別館944号会議室 議 事 次 第 1 開会 2 議事 (1)在宅のALS患者に対するたんの吸引行為についての患 者・家族の負担の軽減を図るための方策について (2)その他 3 閉会 |
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看護師等によるALS患者の在宅療養支援 に関する分科会(第3回) 資 料 目 次 <資料1> ○ 第2回看護師等によるALS患者の在宅療養支援に関する分科会 ヒアリング発言要旨(未定稿) 〈資料2> ○ 在宅の人工呼吸器装着者の現状 ○ 人工呼吸器装着者に対する施策 ○ ALS患者の療養状況について ○ 「在宅人工呼吸器使用特定疾患患者訪間看護治療研究事業」の実施状況 ○ r人工呼吸器装着等医療依存度の高い長期療養者への24時間在宅ケ ア支援システムに関する研究」(平成14年度老人保健健康増進等事業) の概要 ○ 「神経難病医療専門員の活動と地域ケアシステム(宮城県神経難病医、 療連絡協議会のモデル活動をとおして)」(関本聖子宮城県神経難病医療 連絡協議会、保健婦雑誌Vol.58No.122002-12)(7頁) ○ 「自治体の難病対策と地域難病連の概要(2001年度版)(抄)」(日本 患者・家族団体協議会、2001年11月)(28頁) ○ 「人工呼吸器を装着しているALS療養者の訪問看護ガイドライン」 (平成11年度厚生省特定疾患患者の生活の質(QOL)の向上に関す る研究班「人工呼吸器装着者の訪問看護研究」分科会、平成12年3月)(123頁) ○ r難病患者等ホームヘルパー養成研修テキスト(改訂第5版)」(厚生 労働省特定疾患患者の生活の質(QOL)の向上に関する研究班・疾病 対策研究会監修、平成14年8月)(95頁) |
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資料2 在宅の人工呼吸器装看者の現状 1 在宅の人工呼吸器装着者の現状 在宅呼吸ケアの実態を把握するため、平成13年6月に厚生省特定疾患呼 吸不全研究班が、全国3298病院・医療機関を対象にアンケート調査を実施 (回答72/施設、回答率22%)し、症例数を推計。 (1)推計症例数 在宅人工呼吸器療法(HMV) 10,400人 マスクを用いた非侵襲的陽圧換気法(NPPV) 7,900人 気管切開を介して行う人工呼吸管理(TPPV) 2,500人 (2)在宅NPPV・在宅TPPVの疾患割合 在宅NPPVの疾患割合 肺結核後遺症(34%) 閉塞性肺疾患(29%) 神経筋疾患(ALS・CJD・筋ジス等)(16%) 後側湾(5%) 睡眠時無呼吸症候群(5%) 肺胞低喚起(2%) その他(9%) 在宅TPPVの疾患割合 神経筋疾患(ALS,CJD・筋ジス等)(71%) 肺結核後遺症(10%) 閉塞性肺疾患(6%) 睡眠時無呼吸症候群(4%) 後側湾(2%) 肺胞低喚起(2%) その他(5%) 2 在宅人工呼吸指導管理料算定数 診療報酬において、在宅人工呼吸を行っている患者に対して、在宅人工呼 吸に関する指導管理を行った揚合(月1回に限る。睡眠時無呼吸症候群の患 者を除く。)に算定する「在宅人工呼吸指導管理料」は、平成12年6月に 2280回算定されている。 |
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ALS患音の療養状況について ※ 平成12年度地域保健総合推進事業「保健所における難病事業の進め 方に関する研究」 【調査時期】 平成12年10月 【調査方法】 384保健所の協力の下、特定疾患ALS患者2,907名を対 象とした郵送調査(回答数1,987名[回答率68%1) 【結 果】 ○ 入院療養中が26%、在宅療養中が70% ○ 人工呼吸器使用の患者は、ALS患者全体の36.1%。人工呼 吸器使用の在宅患者は、在宅患者の26.1%、ALS患者全体の 18.2%。 表1 ALS患者が受けている医療処置(複数回答)(%) ALS患者全体 入院患者 在宅患者 (100) (100) (100) 経鼻経管栄養 15.5 29.4 8.4 胃痩 22.0 33.4 18.5 吸引 43.1 70.6 31.9 気管切開 35.1 59.7 25.3 人工呼吸器 36.1 61.3 26.1 <参考> ○ 平成13年度末現在の特定疾患治療研究事業交付件数(6,180人)か ら、在宅で人工呼吸器を使用しているALS患者は、1,125人(6,180 人×O.182≒1,125人)と、在宅で吸引が行われているALS患者は、 1,380人(6,180人×O.7×O.319≒1,380人)と推計される。 |
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