<ヘルパー吸引検討委員会>

第一回

 

 昨年11月12日のJALSAによる「ヘルパー吸引」要望書提出時に約束された検討委員会が開催されました。名称は「看護師等によるALS患者の在宅療養支援に関する分科会」。2月3日(月)午後5時から7時まで厚労省9階の省議室で開かれました。8人の委員と医政局長他7名の役人がテーブルを囲み、呼吸器患者2名を含む60名ほどの傍聴者が後ろに控えました。
 当日配られた資料に寄れば趣旨等は以下の通りです。
行政側の出席は医政局長・医事課長・三浦補佐・勝又補佐・総務課長・看護課長・土生企画官・座長は前田委員でした。
 以下は私的なレポートですのでご了承下さい。いずれ本部から報告があるかも知れません。又、公式には厚生労働省のホームページに報告があるかと思います。

1 趣旨
  在宅のALS患者に対する痰の吸引行為についての患者・家族の負担の軽減を図るための方策について、「新たな看護あり方に関する検討会」の下に分科会として位置付け、検討を行うことにする。

2 検討課題
 ○ 在宅ALS患者の療養生活の質の向上を図るための看護師等の役割
 ○ ALS患者に対する痰の吸引行為の医学的・法律的整理

3 メンバー構成
  伊藤道哉   東北大学大学院医学系研究科講師
  川村佐和子  東京都立保健科学大学保健科学部看護学教授
  五阿弥宏安  (株)読売新聞社論説委員
  平林勝政   國學院大學法学部教授・学長特別補佐
  福永秀敏   国立療養所南九州病院長
  星 北斗   (社)日本医師会常任理事
  前田雅英   東京都立大学法学部教授
  山崎摩耶   (社)日本看護協会常任理事

4 検討スケジュール
  本年度末を目途に結論を得るため数回開催を予定。


委員会

沢山の傍聴者
資料目次
<資料1>
・ALS(筋萎縮性側索硬化症)について
・ALS患者の症状が進行したときの対応
・ALS患者の病状経過の例
・ALS患者の一日の生活時間の例
・ALS患者の一日の吸引回数の年次推移の例
・24時間人工呼吸療法を実施しているALS療養者が利用している
 在宅サービスの例
・在宅ALS患者に対する主な施策
・ALS患者に対する訪問看護の適用
・ALS患者に対する訪問看護サービスの内容
・ALS患者数・訪問看護実施施設数
・「医行為」について
・要望書(平成14年11月12日日本ALS協会)
<資料2>
・看護師がALSのかたに行う一時的吸引法について(川村委員提出資料)

川村氏の実演
JALSAの面々

                            傍聴記

 傍聴席の一番後ろ、壁に張り付いた席に患者会メンバーが座っていた。その一人なので委員会メンバーの発言は十分聞き取れない部分もあり正確公平なものではないことをお断りしておきます。 

 まず行政官が資料内容を説明し、ついで委員から質問が出された。後半は川村氏のスライドと模型を使った「看護師がALS療養者に行う一時的吸引法について」と題した学生に教えるときの吸引方法の説明があった。再度質疑意見が交わされた後、次回は2月10日に当事者(患者・家族・訪問NS・ヘルパー)の意見陳述を交えた会合が開かれると告げられて終了した。

 提供されていた資料は一日三回の訪問看護や全身性介護人派遣制度によるヘルパー派遣を利用している例、夜間吸引は一日2回など、全国的には一般的と思われない印象があった。

 以下、記憶に残る質問意見などを記します。()はそのQへのA
・検討対象はALSだけに限るのか?療護施設なども含んで考えるべきではないか(伊藤)(ALSを切り口にし次に応用)
・高齢化社会で現実が変わっている背景を考えて議論すべし(五阿弥)
・国が在宅をやっている基本認識を持つべし。昨年五月からやっている「新たな看護のあり方について考える会」の分科会である意味は?(進行に会わせ随時報告・合同会など持つ)。資料に出ている例は一般的なのか?(様々ある)(平林)
・吸引は迷走神経刺激による突然死、出血、感染など危険を伴うのでそれを回避し緊急時対応が出来るものがやるべし。 今ある施策をしてから不足を補うにはどうしたらいいか考えたい(川村)
・リスクは普通あまりない。こうした要望が出てくる困っている現実を見よう。特に夜間が大変(福永)
・患者による個別性があるのではないか。いつも危険ではない筈。(星)
・訪問看護の実際調査などもっと詳しく新しい資料を出して欲しい。h4年に訪看出来たが行政の怠慢で医療的マンパワーが無い。現場に見合う仕組みを考えて欲しい。(山崎)
                                                           (若林記)
                     (配られた資料による)患者数等

○ 平成13年度末現在 6,180人(特定疾患治療研究事業交付件数)
○ 平成9年度特定疾患調査研究「ALS患者等の療養環境整備に関する研究」によると、
   ALS患者の51.6%が在宅患者、48.4%が入院患者。在宅重症患者は、
   ALS患者の12.7%。(6,180人x0.127≒785人)
○ 都道府県別の人工10万人あたりの特定疾患治療研究事業交付件数は
   3.1〜9.1(平均4.9)であり、際だった地域偏在はない。
○ ALS患者の約60%が特定疾患治療研究事業の重症患者認定(医療費の一部負担なし)

新潟県のALS患者数(平成13年度末特定疾患医療受給者証交付件数:健康局):162人
訪問看護実施施設数(平成12年介護サービス施設・事業所調査:厚生労働省大臣官房統計情報部)
  訪問看護ステーション 90
  病院 51
  診療所 126