吸引等に関するALS患者・家族の実態と意見 平成15年2月10日 日本ALS協会を中心に平成14年11月12日、坂口厚生労働大臣に「ALS等の吸引を必要とする患者 1.ALS患者の吸引等の依頼先状況 在宅療養中の63%の患者が吸引等を行っており、ほぼ全ての家族が医療従事資格はないが医師 2.吸引等実施ALS患者の訪問看護利用状況 在宅療養患者の63%が吸引等を実施しており患者が利用している訪問看護の頻度は週平均1〜3回 3.吸引に関する患者・家族の声 [吸引と家族の介護負担] (13) 皆さんも思われていることですが、ヘルパーさんに吸引ができるようになると良いと思います。ほとんど一人で看てい るため、ヘルパーさんが吸引できるようになると家の外へ出る機会が増えるので。 (31) ヘルパーさんが吸引してくれるようになることを望みます。そうなればヘルパーさんに来てもらって、介護人が安心して休息する時間が取れる。 (43) 訪問リハビリや夜間、深夜のホームヘルプが必要でも、訪問リハビリはどこもやっていないし、ホームヘルプもちょうどよい時間に来てくれる業者がいなかった。ヘルパーさんに吸引を頼めないのでヘルパーさんのいる時でも外出できない。業者によっては胃瘻のセットも医療行為とみなされてしまう。介護用品機器の情報がない。OTの支援不足。役所の担当が一年毎に変わってしまう。病気の進行に即した支援体制(特に社会参加)が弱い。 (15) 私の家では夫がALSで、在宅療養中です。在宅して2年が過ぎました。始めの一年半は友人学生などに依頼し毎月20万から22万くらいの負担でした。この4月〜介護保険が導入されてからは10から12万くらいの負担+介護保険の3%ですのでとても助かっています。全てヘルパーではいってもらえたらと思っています。看護婦資格のあるヘルパーは、吸引も介護も依頼できるのでとても助かります。増員して欲しいです。 (105) 患者の介護を遠方から母に頼んで来てもらい、昼は母、夕方と夜は妻が行うという無理をしている状態です。誰かが病気をしたら患者を看る者がいなくなるという困ったことになります。ヘルパーさんに医療行為が許されるなら負担が随分と減ります。また私的に介護人を頼みたいのですが、なかなか見つからないのが現状です。妻が働いているのですが仕事をやめて介護をしたいけれど、そうすると生活していけない苦しさがあります。 (116) 患者の介護で主婦としての家事やその他に手が回らないで生活しているのですが、介護保険でのホームヘルプサービスは患者に関するサービス(例えば家事援助でも本人の食事作りやは人の部屋の掃除など)しかできないということに納得できず、本当に困っていて助けられているという状態ではありません。現状と合わないサービスだと思います。更に身体介護においても吸引の行為をしてもらえないため、ヘルパーと家族の介護者の二人での介護となり家族は患者から離れられません。身障、全身性障害者のサービスも実施されておりませんので、現実にはサ−ビス回数も時間も増える可能性が低いです。このような制度の広がりを強く望んで毎日を過ごしております。 (155) 全てのヘルパーさんが吸引など医療行為を出来るようになると助かります。(大分県に看護免許を持っているヘルパーさんはほんの数人しかいないので) そうしたら、夜間の吸引などもしてもらえて、ゆっくり寝ることが出来るのにと思います。 (179) ヘルパーがある期間ごとに変わってしまうので、病気への理解が追いつかなかったり家族の負担が減らない。吸引や介護を任せられる人がいないため家族が結局、離れられない。 (287) 家内が患者で気管切開して在宅療養中。私は夫で介護のために会社を退職。吸引等の医療行為の件ではヘルパーさんが「吸引はヘルパーの仕事ではないと法的に決められている」というように解釈してしまって、介護型ヘルパーでさえ吸引などをしてもらえない。(介護保険が始まる前は、それほど明確には言っていなかった) 結局介護型ヘルパーを頼んでも家族がいなければならず、介護者の負担は減らない。そうすると一人で介護している場合、介護者は看護婦がいるとき以外は外出することも出来ない。せめて訪問看護を医療保険で行っている場合、介護保険でも利用できるようにしてもらいたい。厚生省は医療行為にこだわるならば、もっと看護婦の派遣ができるように施策を考えるべきだし、それが出来ないなら総務庁の勧告に沿った見直しを早急にすべき。ヘルパーの業務内容について(介護ヘルパーは吸引ができないからやってもらえるのは排泄介助程度。家事ヘルパーは患者本人の家事しかしてもらえないからやってもらうのは掃除程度。難病患者を在宅介護している家庭でヘルパーさんに最も望んでいることは介護人の負担を減らしてもらうこと。家事援助については家事、たとえば食事とか洗濯もやれるようにしてもらわなければ介護人の負担はほとんど減らない。ヘルパーの業務内容については介護保険が始まってから以前の措置制度のときよりうるさく言われるようになってしまった。訪問看護の時間が短くなってしまった。(訪問看護は医療保険で受けているが介護保険開始前は月〜金で、毎日1.5〜2時間くらい来てくれていたのに、介護保険が始まってからは介護保険の1時間以内というのに合わせて訪問看護も一時間に短縮されてしまった。 (292) 介護保険でヘルパーが入るのはありがたいが医療行為ができないので家族も家の中におるようになる。寝るわけにもいかず気兼ねにもなる。介護している立場より。 (390) 医療行為ができ、長時間留守ができ、信頼できるヘルパ−さんを強く希望します。 (398) 主人がこの病になって初めて3ヶ月、自宅で看たが昼間は入れ替わりヘルパーと訪問看護婦が来て下さるのですが、夜は私が一人です。息子が最初の1ヶ月は家に泊まって仕事に行ったけれど、あとは嫁と子供がいるので来ません。時々は来てくれて何かあればすぐ来れる所に住人がいます。ある時、私は耳が聞こえ難くアラ−ムが聞き取れないので大きな音を出すのにしてもらいましたがこれを息子が止めて帰ったので私は目が覚めず、覚めた時は呼吸器が外れて主人は虫の息でした。あの時は本当に生きた気はしませんでした。宮崎でもつい先日看護婦のミスでALSの人が亡くなられました。主人はおかげで又、息を吹き返し今、近くの病院でお世話になっていますが、10月から又、家で看ることになっています。大体3ヶ月をめどに病院と家庭でと先生から言われています。私も色々病気、特に頭の事故で4回その都度頭を打ってどうも夜がきついです。寝不足が特に午前2〜5時、この時間は痰が多くて眠れません。だから昼寝をして下さいといわれますが、昼も人の出入りが多く眠れません。夜のせめて半分、12時まででも何とかできればと思います。介護保険前は付き添いさんを頼んでいたが、金が続きません。月に25万円位.やはり私も起きていっしょにやらねばなりません。何とかいい方法はないでしょうか。主人は何にもできなく、口と首を少し動かすので私は意志を判断しています。長々と申し訳ありません。下手な字で。 (431) ヘルパ-に吸引等の医療行為が認められ、その間だけでも家族が患者から離れられる時間が出来れば良いと思う。 [吸引と施設利用] (136) 呼吸器、吸引器、胃瘻経管食の全身性障害者がデイサービス(入浴)またはショウトステイを利用する場合、必ず家族同伴を要求されます。それでいて料金は定額払い。家族にとっての休養は無しです。医療行為ができる看護人に出会わない限り私共の安心した休養はありません。 (278) ショートステイができると良い。専門家の在宅訪問をしてほしい(リハビリ、歯科、眼科、耳鼻科など)。吸引をできる人の確保が困難なため介護者が受診をする時間がとりにくい。特に予定できない時。 (326) 介護人の不足を補うのに、吸引をできる人となると限られてしまう。夜間たまにはゆっくり休みたいと思っても、それは不可能で現実に困っている。ショートステイなども呼吸器をつけていると不可能で、介護人が一人しかいないので私が倒れたらどうしようかと不安である。ALS患者が安心して入院又は生活できる場が欲しい。 [吸引ができる介護者の確保] (60) 吸引の出来るヘルパーがなかなか見つからず、ようやく最近見つかりました。呼吸器をつけて在宅療養をしている人には吸引できるヘルパーが絶対必要です。そうでなければ介護者は解放されません。 (280) やがて気管切開して人工呼吸器をつけた場合、家族以外では吸引が出来ないと聞きました。私は家計のこともあり働いておりますが、そうなると仕事をやめなくてはならなくなりますが、収入がなくなることになります。吸引のできる介護人を安価で頼めるといいのですが。 (301) 仙台市は特別措置を取り介護保険によって従来のサービスが低下しないように4年間の期限付きでサービスが30万円を超えた分だけ介護保険を使っています。宮城県は県も指名性介護人派遣を始めました。時間は40時間と少ないですが、私たちALS患者が生きてゆくためには介護人(なれた人、色々と熟知している人)を確保できるかどうかにかかっています。そのためには人材豊富なヘルパーが吸引ができるようにし、家族に変わって患者を看護できる人を確保していかなければならないと思います。あれもこれも不備だらけですが、介護人が第一と思います。 (370) 介護人がいれば問題は激減します。とにかく介護者不足で困ってます。介護事業所が吸引を認め、ヘルパーを派遣してくれることを強く望みます。現在は全くの素人を見つけ研修を経てから介護してもらっているのでとてもエネルギーがいります。 (383) ヘルパーさんに吸引のできる人がいればいいと思うのですが、今の制度では無理と思います。ならば訪問介護支援センターに登録看護婦を置いて欲しいと思います。現在は小さな市町村では採算が合わないようで見通しが暗いです。同病者が少ない町では一人の声では反映しません。〈現在、町の社協を利用しています) [吸引と介護保険] (337) 介護保険実施前は障害者プランで料金はかからなかったが、介護保険になってからは負担額が増えるので経済的にも枠一杯を頼むわけには行きません。ヘルパーにしても看護婦にしても人が変わり過ぎる。ヘルパーも吸引できるようになって欲しい。 (359) 介護保険適用業者で吸引等(医療行為)ができない方が多いので、家族が在宅しなければならず、自由時間が取れない。 (372) 介護保険が始まるまでヘルパーさんたち皆さんが吸引もしてくださっていたのでもう少し良かったです。4月からは新人らしきヘルパーさんが担当となりました。うちのような寝たきりの難病患者の介護は経験者が来るべきだと思います。唾液の吸引もしてくれません。「吸引してください」と呼ばれるのでほんの30分、昼することもできません。 [吸引とヘルパーの資格] (385) ヘルパーさんで看護の免許をもっていらっしゃる方がおられますので、吸引ができるようになれば少し楽になります。 (390) 子供が中学生と小学生の為、学校行事が等々ある中で主人をお願いできる人がほとんどいないので欠席する事がほとんどです。役員などの選出に先生が協力して除外ということもあまりなく、毎回役員はできませんと頭を下げる自分に疲れます。24時間365日、私が一人で看護をしているので、主人も私以外に看護を頼むのが不安でしかたがないようです。看護免許を持つヘルパーの方がいれば本当に助かります。主人の介護も私にとってとても重要なことですが子供のこともしてやりたいと思います。妻であり母でもあるからです。主人は30代前半で寝たきりの生活です。結婚が早かったので子供は主人の年では大きいと思いますが、もっと家族でいろんな所に旅行をしたかったです。あれもしたいこれもしたいと思うことは、山のようにあります。主人はまだ36歳です。頑張って生きていればきっと治ると信じて頑張りたいと思います。 (2) ヘルパーさんの吸引行為が許可されないのなら、訪問看護婦さんの滞在時間を延長してほしい。 (382) ヘルパーさんに吸引のできる人がいればいいと思うのですが、今の制度では無理と思います。ならば訪問介護支援センターに登録看護婦を置いて欲しいと思います。現在は小さな市町村では採算が合わないようで見通しが暗いです。同病者が少ない町では一人の声では反映しません。〈現在、町の社協を利用しています) 以上 |
||