厚労省資料データ集
(厚労省吸引検討委員会で提供された資料から抜粋)

資料2 データ編

1、             訪問看護数データ

2、             医療行為について

3、             在宅人工呼吸器装着者の現状

4、             人工呼吸器装着者に対する施策

5、             「在宅人工呼吸器使用特定疾患患者訪問看護治療研究事業」の実施状況

6、             「人工呼吸器装着等医療依存度の高い長期療養者への24時間在宅ケアシステムに関する研究」(平成14年度老人保健健康増進等事業)の概要

7、             ALS患者の療養状況について

 

 

1、 訪問看護数データ

 

都道府県

訪問看護 ステーション

病院

診療所

都道府県

訪問看護 ステーション

病院

診療所

北海道

252

244

441

滋賀

45

25

101

青森

80

39

111

京都

119

70

439

岩手

45

48

98

大阪

323

187

819

宮城

71

53

179

兵庫

212

103

511

秋田

42

27

41

奈良

63

17

103

山形

39

19

67

和歌山

93

29

191

福島

102

51

197

鳥取

34

14

102

茨城

92

68

138

島根

55

10

129

栃木

61

34

84

岡山

121

65

311

群馬

85

42

180

広島

142

77

277

埼玉

157

104

314

山口

74

52

174

千葉

160

95

324

徳島

52

53

168

東京

344

107

502

香川

37

49

177

神奈川

230

127

476

愛媛

77

57

219

新潟

90

51

126

高知

52

49

120

富山

30

45

51

福岡

200

156

452

石川

45

60

146

佐賀

38

48

130

福井

41

43

106

長崎

47

77

212

山梨

45

16

42

熊本

98

104

200

長野

125

58

252

大分

67

48

127

岐阜

70

42

277

宮崎

60

70

136

静岡

103

47

215

鹿児島

113

102

358

愛知

190

109

616

沖縄

40

37

86

三重

69

28

149

4,730

3,056

10,674

平成12年介護サービス施設・事業所調査 (厚生労働省大臣官房統計情報部)

 

 

 

 

 

2、 医療行為について

 

(1)医師法(昭和23年法律第201号)

           第17条 医師でなければ、医業をなしてはならない。

第31条 次の各号のいずれかに該当する者は、3年以下の懲役若しくは100万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。

    【解釈】

     医師法第17条に規定する「医業」とは、当該行為を行うに当たり、医師の医学的判断及び技術をもってするのでなければ人体に危害を及ぼし、又は危害を及ぼすおそれのある行為(「医行為」)を、反復継続する意思をもって行うことであると解している。

 

(2)保健師助産師看護師法(昭和23年法律第203号)

第5条  この法律において「看護師」とは、厚生労働大臣の免許を受けて、傷病者若しくはじよく婦に対する療養上の世話又は診療の補助を行うことを業とする者をいう。

第31条 看護師でない者は、第5条に規定する業をしてはならない。ただし、医師法又は歯科医師法の規定に基づいて行う場合は、この限りでない。

第43条 次の各号のいずれかに該当する者は、2年以下の懲役若しくは50万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。

 

 

3、 在宅人工呼吸器装着者の現状

 

(1)           在宅人工呼吸器装着者推定数(平成13年6月厚生省特定疾患呼吸不全研究班より推計)

@マスクを用いた非侵襲的陽圧換気法(NPPV) 7,900人

A気管切開を介して行う人工呼吸管理(TPPV)  2,500人

在宅人工呼吸器療養計               10,400人

 

@     7,900人在宅NPPVの疾患別割合

 

・肺結核後遺症                   34%(2,690人)

・閉塞性肺疾患                   29%(2,290人)

・神経筋疾患(ALS、CJD、筋ジス等)     16%(1,260人)

・後側湾                         5%( 400人)

・睡眠時無呼吸症候群               5%( 400人)

・肺胞低喚起                      2%( 160人)

・その他                         9%( 700人)

 

A     2,500人在宅TPPVの疾患別割合

 

・神経筋疾患(ALS、CJD、筋ジス等)     71%(1,775人)

・肺結核後遺症                   10%( 250人)

・閉塞性肺疾患                    6%( 150人)

・睡眠時無呼吸症候群               4%( 100人)

・後側湾                         2%(  50人)

・肺胞低喚起                      2%(  50人)

・その他                         5%( 125人)


4、 人工呼吸器装着者に対する施策

 

難病対策

身体障害者施策

介護保険給付

在宅患者

・特定疾患治療研究事業(医療費の自己負担の公費負担)

・小児慢性特定疾患治療研究事業(医療費の自己負担分の公費負担)

・育成医療・更生医療(障害を軽くしたり、除いたりするための医療の給付)

・在宅人工呼吸器使用特定疾患患者訪問看護治療研究事業(診療報酬を超える部分の訪問看護の実施)

・難病患者地域支援対策推進事業(保健・医療・福祉にわたる在宅療養支援計画策定等)

・神経難病患者在宅医療支援事業(専門医との連携体制の整備)

・難病患者等居宅生活支援事業(ホームヘルパーの派遣、医療施設への短期入所等)

・日常生活用具給付等事業(重度障害者の日常生活の支援のための用具の給付・貸与)

・特別障害者手当等の支給(重度障害者で、日常生活において常時特別の介護を要するものに対する特別障害者手当等の支給)

・訪問介護(ホームヘルプサービス)事業(ホームヘルパーの派遣の実施)

・身体障害者短期入所(ショートステイ)事業(重度身体障害者等の施設への一時保護の実施)

・身体障害者日帰り介護・活動(デイサービス)事業(通所による創作的活動、機能訓練等の実施)

・訪問介護(ホームヘルプ)

・訪問入浴

・訪問看護

・訪問リハビリテーション

・通所リハビリテーション(デイケア)

・通所介護(デイサービス)

・短期入所生活介護(ショートステイ)

・短期入所療養介護(ショートステイ)

・痴呆対応型共同生活介護(グループホーム)

・居宅療養管理指導(医師・歯科医師による訪問診療など)

・福祉用具貸与

入院患者・施設入所者

・特定疾患治療研究事業(医療費の自己負担分の公費負担)

・小児慢性特定疾患治療研究事業(医療費の自己負担分の公費負担)

・育成医療・更生医療(障害を軽くしたり、除いたりするための医療の給付)

・重症心身障害児(者)措置・進行性筋萎縮症児(者)措置(国立療養所等での治療・日常生活指導の実施)

・重症難病患者入院施設確保事業(重症難病患者の入院施設(拠点病院・協力病院)の整備)

更生施設(身体障害者更生施設等)

生活施設(身体障害者療護施設等)

作業施設(身体障害者授産施設等)

・介護老人福祉施設(特別養護老人ホーム)

・介護老人保健施設

・介護療養型医療施設


5、 「在宅人工呼吸器使用特定疾患患者訪問看護治療研究事業」の実施状況

人工呼吸器を使用しながら在宅で療養しているALS患者等に対する訪問看護について、訪問看護ステーション等の医療機関に訪問看護を委託し、診療報酬で定められた回数を超える部分に要する費用を交付。

<実施中の自治体 40自治体>

北海道、岩手県、宮城県、秋田県、山形県、茨城県、栃木県、群馬県、埼玉県、千葉県、東京都、神奈川県、新潟県、富山県、石川県、福井県、山梨県、岐阜県、長野県、静岡県、愛知県、滋賀県、京都府、兵庫県、奈良県、和歌山県、鳥取県、島根県、岡山県、広島県、山口県、徳島県、香川県、愛媛県、高知県、福岡県、佐賀県、長崎県、熊本県、宮崎県

<未実施の自治体 7自治体 >

 

   青森県、福島県、三重県、大阪府、大分県、鹿児島県、沖縄県

 

 

6、 「人工呼吸器装着等医療依存度の高い長期療養者への24時間在宅ケアシステムに関する研究」(平成14年度老人保健健康増進等事業)の概要

 

【事業目的】

訪問看護の場におけるALS等人工呼吸器を装着している難病患者に対する安全、かつ、 効果的な吸引等のケア技術の向上について、専門的な見地から検討。

 

【事業者】

財団法人 日本訪問看護振興財団

 

【時期】

           平成15年1月〜2月

 

【事業実施計画】

(1)              検討委員会の設置及び運営

(2)              モデル事業の実施

人工呼吸器を装着している在宅療養者10名(訪問看護ステーション利用者)についての実態把握及び試行事業

<実態把握>

疾病のステージ、治療内容、装着機器、ケア状況、本人の意向、家族の状況(介護負 担、経済的負担、サービスの希望等)

<試行事業>

テレビカメラ等動画を用いたモニタリング及び自動吸引装置を用いたケア技術の検    

(3)              サービス提供者調査

<調査内容>

人工呼吸器を装着している在宅療養者にケア提供している医師、看護師及びホーム ヘルパー等へのアンケート調査(全国の訪問看護ステーション1/2抽出)

 

 

 

(4)報告書作成

 

【事業の効果等】

(1)              安全かつ効果的な気管内吸引方法の検証

(2)              人工呼吸器装着等の医療依存度の高い療養者の在宅ケア継続に影響を及ぼす要因の明確化

 

【進捗状況】

           現在の進捗状況は、次のとおり。

(1)              アンケート調査:全国の訪問看護ステーション2,500ヵ所を対象にアンケート調査  

を実施中

(2)              モデル事業:2月上旬を目途に行う予定

 

 

7、 ALS患者の療養状況について

 

※平成12年度地域保健総合推進事業「保健所における難病事業の進め方に関する研究」

 

【調査時期】 平成12年10月

【調査方法】 384保健所の協力の下、特定疾患ALS患者2,907名を対象とした郵送調査

(回答数1,987名[回答率68%])

【結果】     ○入院療養中が26%、在宅療養中が70%

○人工呼吸器使用の患者は、ALS患者全体の36.1%。人工呼吸器使用の在宅患者は、在宅患者の26.1%、ALS患者全体の18.2%。

 

表1 ALS患者が受けている医療処置(複数回答)(%)

 

ALS患者全体

 

入院患者

在宅患者

経鼻経管栄養

15.5

29.4

8.4

胃瘻

22.0

33.4

18.5

吸引

43.1

70.6

31.9

気管切開

35.1

59.7

25.3

人工呼吸器

36.1

61.3

26.1

 

<参考>

     平成13年度末現在の特定疾患治療研究事業交付件数(6,180人)から、在宅で人工呼吸器を使用しているALS患者は、1,125人(6,180人×0.182≒1,125人)と、在宅で吸引が行われているALS患者は、1,380人(6,180人×0.7×0.319≒1,380人)と推計される。

 

以上