小出 功 |
筋萎縮性側索硬化症を背負って、歩みつづける全ての兄弟たちよ! 我々は病に加えて、治療薬も治療薬もなくやかて迫り来る死への恐怖ー その二重三重の地獄に呻吟してきた.依って立つ大地は足元から消え、 この世のあらゆる灯火も一斉に消えた. 天を呪い、世をはかなみ、人を恨み、我か身を嘆いて無限の暗闇をさまよいつづける、 その骨身をとおす絶望の深さはリ知れない− だが、しかし・・・・・ その中にあっても、ついに・‥ついに、我々一人一人の深いふかい‥・ 命と、熱と、真に生きようと願う患う心は、けっして枯れてはいなかった 病気でありなから、病気の絶対事実を認めることが出来ない、深いふかい 己れの心の病と我執と罪に目覚める得ることが出来た. 如何なる状況の中にあっても、思惟することの出来る、人間であるが故に 与えられていた本源的な魂は死んではいなかった 難病であれはあるほと、その中にこそ、本当の道あり、本当の人間あり、 本当の兄弟の連帯あることを知った! 我々はついに探り当てたのだ. 不信、不和、差別、偏見、争い、葛藤渦巻くこの世の中に、大きな連帯の光を 見出したのだ. この難病なければこの光りは、ついに見出し得なかったであろう. 今こそ我々は、難病であることをむしろ誇りとしよう。 そしてこの誇りと兄弟間の連帯の輝きをもって、太陽のようにこの世を 照らしてゆこう! 兄弟達あることによって、 この世に光あれ |
平成8年(1997年)7月6日 |